あさのよみもの

Chromebookネタは新ブログにて。元々は「自閉症スペクトラムと性別違和」「LGBTとフェミニズム」の話をするとこでした

【発達障害と性別違和】婦人科に通って、僕は女だと思い始めた

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 どうも、メイクをしたそばから汗で流れ落ちる朝乃です。
 みなさん長らくお待たせしました、今日は「婦人科のくだり」こと、僕の独特な(しかし発達障害者には意外とあるらしい)性自認の話です。

性自認とわたし、ブログ用ネタまとめ(というだけ) - 「わたし」たちの破片を拾う

 去年ぐらいも断片的にはこういう話をツイートしてた気がするんだけど、改めて記事にしておきます。

 

 

「僕は女じゃない」のもと

 僕は小さい頃、いわゆる「女の子らしさ」にしがみついていました。 

「スカートが可愛いから履きたい」の気持ちと一緒にくっついてくるのは、「自分はスカートを履かなければ女になれない」強迫観念。
 そこまで極端な思考を持たなくてもいいと分かっても、また別の困難に遭遇しました。
 女子だけ集められた保健の授業で「へぇー、女の人ってこうなるんだぁ」ぐらいの感想しかなかった僕は、まさか自分にも生理が来て、胸が大きくなるとは思ってもみなかったのです。
 加えて、女性としての人生だとか、集団生活に馴染めなかったのもあって僕は生きづらさを抱えるようになりました。

 ここまでは多分、ベタな「心の性別」の話です。

【発達障害と性別違和】「女性」をやめるためには、ひきこもるしかなかったけれど - 「わたし」たちの破片を拾う

 しかしそこに至るまでのそもそもの話が、どうも他の「ジェンダー違和」のある女性とは違うらしい。
 僕は「わたしの体はわたしのものだ」という認識が欠けていたようで、とりあえず生理が来ない間だけでも「ひとごと」としておかないと苦しくて仕方なかったのです。

 

ジェンクリの前にやったこと

 いやでも、(ネタとして)トランスジェンダー名乗りする暇があったらやれることをやらなきゃならん。
 Twitterでも婦人科に行かんとなぁと言っておきながら、なかなか勇気が出ずにいました。

 このまま女性としての身体を受け入れられず、辛さを抱える方がもっとしんどいと思い、僕は昨年から婦人科へ通うことにしました。
 毎月の月経がなくなれば「女を受け入れられない辛さ」もなくなるんじゃないかなぁなんていう、一部の人からすればまぁ不謹慎だとか、あるいはお気楽だともみなされかねない理由ですけども。


 「毎月股から血が出てお腹が痛くなる」ももちろん嫌だったけど、それよりも抑うつ症状と希死念慮で生活に支障が出ていました。
 最初は加味逍遥散(かみしょうようさん。のちにお腹を壊して飲めなくなる)をもらってましたが、結局はピルを処方してもらいました。
 ひと月分3000円ほどもかかる薬ですが、飲んだおかげで死にたくなる衝動が収まりました。
 あの精神的な苦痛はホルモンの影響が強かったんだなぁと分かったのはよかったです。


 また自分では自覚していなかったけど、自分に性欲があることも辛かったんだなぁという発見もありました。
 抑うつ状態、あるいは精神の薬を飲むことでも性欲は下がりますが、ピル服用が一番効果てきめんでした。
 自分に振り回されなくて済むのって、こんなに快適だったんですね。 
 これは予想外です。


「男じゃないからこそ、男の服を着られる」?

 そんなこんなで、乱暴な言い方をすれば「これで女じゃなくなりゃあいいのになぁ」と思っていたのだけれど、数ヶ月経つにつれて意外な心境に至ります。
 僕は、「自分は女性身体を持っているのだ」という事実が実感できるようになったのです。
 これでやっと「性自認は女性」のスタートラインに立った感じです。


 薬を毎日忘れずに飲まなきゃならない、血栓症のリスクがあるから生活に気をつけなければならない。
 たとえピルがあっても、股から血が出なくなるわけでも、生理用品がいらなくなるわけでもない。
※不正出血、それと休薬期間に生理みたく出血が来ます。この不正出血で僕はむしろ治療前より「股から血が出る」日が大幅に増えたんですが……しんどいというより面倒。


 あぁそっか、僕は男性じゃない。
 男でも女でもない体ってのもやっぱりありえないんだ。
 僕は女性なんだから、メイクをしなくたって、男性用のものを好んだって男にはならないんだ、と。

 本当にただ、事実が「自分ごと」として見えてきただけです。
 だからその先の、「やっぱりこの体のままだと死にたくなってしまうから子宮を取らなきゃならない」みたいな感情があまりないのです。

 いや、子宮があるのは辛いんだけども。
 それは果たして「子宮があることそのもの」に対する辛さか?っていったら多分違っていそうですね。

 

僕が「戻る」には

 昔、記事には「戻る性別がない」と書きましたが、このまま「女に戻る」のでしょうか。
 それともやはり遠出してまでもジェンダークリニックに通ったり、大金を出して手術やホルモン治療をすることになるのか。
 ……いや、無職で何百万なんてそもそも出せないし、性別違和の内容からしてむしろやっちゃいけないだろうなぁとは思うけど。
 子宮いらんっていうかなくても困らんのは確かだけど……思うってだけですしね。


 診断は受けておくに越したことはないけど、一方で「こんなんで性同一性障害の診断出るの!?」という例も多々見てきたので、まともな病院を探すのは大変だろうなぁ。
 とまぁこんな感じなので、身体治療をする層と僕はやっぱり別です。