作業所は行くもんじゃない…!?
発達障害のある方、就労経験のある方。
地方住まいの精神障害者の方。
オチから言うなら「就労移行支援」「就労継続支援B型」の事業所は、企業に勤められずどうしようもない時や、命を削ってまで会社にいるのはもう嫌だ!という時でもない限りはおすすめできません。
というわけで今回はいわゆる「作業所」についての割ときつい話です。
どうしてあまりおすすめできないかというと、二次障害をともなう発達障害者をちゃんとみてくれるとこはまだまだ少ないから。
— あさの (@sugapiyo) 2022年10月29日
それと、会社に勤めた経験のある人からしたらお遊びみたいな内職しか振られないから。
そして、作業所を選ぶと給料がもらえないどころか、利用料の分だけお金取られるから。 https://t.co/UBuEz6kKaT
こういうツイートもしたのですが、地方の場合「就労移行とは名ばかりで、やってることがB型の作業所と同じ」なのもあってあんまり。
地域差が大きいので、場合によっては「就労移行」でネット検索しても意味がないことがあります。
では「作業所と同じ」とはどんなものか。
就労移行支援とは言いますが、社会人としてのマナー講座とかパソコン実習なんていうプログラムはありません。
代わりに、ラベル貼りだとか、ボールペンの組み立てなどといった内職をやります。
あるいはパンこねとかハンドメイドで雑貨づくりとか、そういった作業になります。
就職面接会に連れてってくれたり、面接の練習に職員が付き合ってくれることはありますが、就労支援っぽいことはそれくらいしかありません。
「それくらい」すらない事業所もあります。
就労を本気で目指すにはあまりに物足りないのもそのはずで、「知的・身体障害者の日中の居場所」目的で運営されているところが多いからです。
当然工賃(雇用契約ではないので「給料」ではありません)も少なくなるわけですから、利用者の大半は障害年金や生活保護で暮らしています。
どんなに頑張って通っても、一律3000円や5000円というところがあります。
日用品費やお弁当代、「○○の会の会費」などの利用料分を引かれたら、ひと月あたりの工賃がマイナスになるところもあります。
それでも、どうしても作業所選びがしたいという方は多分いらっしゃると思うので、こういう所を参考にしたらいいかなぁというのをまとめてみます。
ちなみに「パンこね」「雑貨づくり」系作業所の工賃や、その他内情がどうなってるかはよく知らないので書けませんでした。
ただ、「工賃がすごく低くてまともな仕事になっていない」ってことくらいしか知りません、ご了承ください。
「これはやめとけ」ポイント
(下調べの時)
・就労移行もそうですが、都市部じゃないんですから「発達障害者向け」を探すのはまず無理です、諦めましょう。
・「いいとこ」ではなく、「よりマシなとこ」を探しましょう。
・たとえ送迎付きでも、家から遠いのはよっぽどでもない限り避けましょう。ただでさえ少ない体力が、作業所に行って帰るだけで持っていかれます。
・求人でいつも職員を探しているようなとこはまずいです。障害者の支援をする立場の人が悪い環境で働かされてるということは、そのしわ寄せは利用者に向かいます。
・お金が欲しいのならやめましょう。A型でなくB型ならばそもそもが雇用契約ではないので、どんなに頑張っても少ない工賃しかもらえません。利用者は「支援を受けるお客さん」であって「労働者」ではないのです。
(見学・体験の時)
・ルールとして「連絡先を交換しない」「物やお金を貸し借りしない、あげたりもらったりしない」と明文化されていない作業所は人間関係で揉めます。やめときましょう。
・中高年の利用者の多いところはおすすめできません。何十年もそこに通い続けて就職できずにいるか、職を転々をした末に作業所しか居場所がなくなった方が多いということですから。
・作業内容と工賃のバランスが見合わない作業所、もしかしたら法的にアウトなことをやってるか、そのうち潰れるかもしれないのでとりあえず避けておきましょう。
・「工賃を上げる努力をしている」と所長さんが言ってても、明らかに単価の低そうな内職ばかりならば口だけ所長さんです。やめましょう。「やりがい」を強調するのならもっとやめましょう。
※はじめは何が単価低いか判断しづらいとは思いますが。例として「ラベル貼り」「ボールペン組み立て」「フルーツキャップ折り」「自動車の部品のバリ取り」など。逆に、「神社のおみくじやお守り、お札作り」だったらそれは相当ラッキーです。
・見学や体験の時点で「障害による困りごと」「工賃の話」を、職員と正直に話し合えないようなところは無理です。福祉の支援を受けに来たのに体を壊すのでは本末転倒です。
※特に感覚過敏のことで話し合えない、配慮が受けられないのならNG。「BGM代わりにいつもラジオがかかってる」「突然飛び跳ねたり叫ぶ利用者がいる」「悪臭のする利用者がいる」は作業所あるあるなので要注意。
・利用者にタメ口をきく、あだ名で呼ぶ職員がよくいます。利用者をひとりの大人としてみなしていないなんて失礼です。「親しみと横柄を履き違えてる」ところはやめときましょう、本当に。
(利用開始後)
・要領のいい利用者だと、本来職員がやるべき仕事を押し付けられることがあります。まずいです。ピアサポートじゃなくて「こき使われてる」だけなので、計画相談員さんに報告しましょう。
・体調不良を訴えると、不調なりにどうやってやっていこうかという話し合いをせず、「気の持ちよう」「自己管理が足りない」と言ってくる職員もいます。二次障害を抱えている身には地獄。
※あさのの前行ってた作業所は所長が、よりによって所長がこれなのでダメだった。
・同じことばかりやらされて簡単すぎる、と思ったらやめ時です。職員の作業の割り振り方が下手過ぎるか、内職をもらってくる量が少ないわけだからどっちにしてもよろしくない。
・他の利用者からいじめられる、職員から高圧的な態度をとられる、といった時はその事業所の所長・理事長クラスの方、それと計画相談員さんに報告しましょう。改善されないのなら躊躇なくやめましょう。
※たとえあなたがいじめられていなくとも、他の誰かが利用者にいじめられている、明確な差別を受けている場合もあります。あさのはこれが辛くて前の作業所をやめました。
(就職する、を名目にする…じゃないけど、そういうやめ方。就職先は結局合わずに1日で辞めました)
・体調不良で休みたくても休ませてくれない、特に「顔だけでも出しに来い」と言ってくる事業所はよろしくないです。助成金目当ての可能性も。
っていうか、作業所探すならこんな記事読むもんじゃないです
辛かったらやめること、変えることはできるとはいえ、そう頻繁にはできません。
もしかしたら職場選び以上にシビアかもしれませんが、自分の生活の中心となる場所なのでよく調べて、話し合ってから選びましょう。
ひとりで決めようとせず、計画相談員さんからも情報を集めましょう。
というか作業所絡みのことはぶっちゃけ、ネットで調べてもあんまり役に立ちません。
その地域での情報というのは生の声を集めるのが一番です。