あさのよみもの

Chromebookネタは新ブログにて。元々は「自閉症スペクトラムと性別違和」「LGBTとフェミニズム」の話をするとこでした

「一生6畳」、障害者向けグループホームで失ったものと得たもの

病状が悪いとか、老人ホームが空くのを待ってるとかそういうことでもない限りは、障害者向けグループホームに安易に入所するのは個人的には勧めません。
しかしながら、自分は実家を出て頼れる所がどこにもなかったのでやむなく入所していました。

 

 

 

失ったもの。
プライベートな空間。
障害者向けグループホーム、うちの地域は一から建築されることはごくまれです。
「ふた部屋でひとつの物件」として貸し出されている部屋のうちのひと部屋を「ひとり分」としてあてがわれる場合もあります。
法的にダメなとこだと、薄い仕切り板で大きな部屋を仕切ってひとりひとりの居住スペースを作っていることもあります。
アパートやマンションでも古い建物を改装して「新しい風」に見せるところが多いので、建物の基礎そのものは築40年クラスである場合もままあります。
当然壁は薄いです。
「鍵付き個室なので安心」とパンフレットに書いてあったのに、隣の部屋の電話の声が丸聞こえなのが現状です。

失ったもの。
生きるための自由度。
どうしても「入所者と支援者」は対等な関係にはなれません。
集団生活をするのだからルールが厳しいところが多いです。
それを考えた上でもたとえば「湯船は毎日は入らせてもらえない」「外出制限がある」「面会制限もある」のが障害者向けグループホームの当たり前です。
うちはたまたま、お風呂の湯船に毎日入るのは許されていました。
備品が用意してあったのもまれな例です。
また、現在の福祉制度ではやっちゃダメなのですが「グループホームを運営してる会社の、B型作業所に通所しなければならない」もあります。
これでグループホーム選びはひどく難航しました。
だって当時、通っているB型作業所は別にありましたから。

 

得たもの。
引っ越し初期費用の安さ。
たまに自炊をするのは共有部の台所なので、別途調理器具や家電を買う必要はありません。
とはいえ、たとえ生活保護を受けていても引っ越し費用の補助は出ますのであまり旨味はないのかもしれません。
中途半端に貯金が余っているのなら、生活保護を受ける前に必要な品を一通り買ってしまうのも方法としてありますし。

得たもの。
母親以外で朝晩のごはんを作ってくれる人。
体調が悪い時、忙しい時はとても助かります。
ただこれも、本当はグループホームの職員から福祉的な支援を受けられるのかと思っていたので想定外ではあります。
別に、支援者だからといって障害者のことを理解しているわけでも何でもないのです。
結局は別途、精神障害に特化した訪問看護を頼むことになりました。
生活の相談相手として、グループホームの職員はアテにならなかったのです。